SeaIntel、紅海危機、実質”Ever Given”の座礁上回る船腹減少効果

 

デンマークの海運データアナリスト、Sea-Intelligenceによると、イエメンの武装集団、フーシ派による商船攻撃で、紅海の状況が悪化するにつれ、スエズ運河の通航を避け、喜望峰経由にルート変更し航海距離が延びた事から、コンテナ船が増加する中でも、船腹量が大幅に不足し、データを取り始めた2012年以来、2021年3月の”Ever Given”(24,000TEU)の座礁によりスエズ運河が閉鎖されたのに次いで2番目の不足量となった。
 SeaIntelが船腹量の変化と通常のボラティリティ、過去数年間の市場の混乱とを比較したもので、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)は、その間で3番目に大きな船腹量の減少だった。
 SeaIntelでは、現在のサービスネットワークは明らかに流動的で、特にアジア/欧州航路のサービスについては、多くの不確実性があるとし、中国の春節連休やゴールデンウイーク中の船腹量の減少は通常の市場の動きとみなされ、 “Ever Given”の座礁は、これまでの単一の事件としては最大の影響を及ぼしたと記録されているが、事故の一部は当時の春節による船腹調整と重なっていたことを考慮すると、紅海の危機は船腹量減少が際立っていると指摘、パンデミック初期の影響よりもさらに大きいと指摘している。