世界海運に不確実性の影も、コンテナ市場の需要は今年2.4%成長

不定期船に特化した運航システム「VESON IMOS Platform」(VIP)を提供する米国の NauticalVeson Nautical(本社:ボストン)は、中国経済は不安定の瀬戸際にあり、欧米諸国も金利上昇にあり深刻な景気後退のリスクが高まり、紅海危機など進行中の地政学的緊張が高まりがさらなる不安定要素をもたらしているる中、世界の海運業界は不確実性の影に直面しているが、それでもコンテナ市場は今年2.4%の需要増加が見込まれるとしたレポートをまとめた。
 同社の分析によると、コンテナ市場は、2024年から2027年までの期間で需要が年平均 3.1% 増加し、2024年は2.4%の成長が予測されるとしている、
 サプライチェーン停滞の緩和に伴い、運賃は大幅に下落しているが、2024年後半から2025年前半にかけて底を打ち、その後、通常に戻る痛みが和らぐにつれて若干上昇すると予想する。ただ、過去数カ月の運賃上昇にもかかわらず、運賃は圧力にさらされ、2024年も下落が続くとみている。
 一方、船腹量は今後数年間でほぼ900万TEU が市場に参入すると、供給過剰を予想、発注残を見ると、二元燃料船が約45%、TEUキャパではさらに多くを占めており、定期コンテナ船のグリーンシフトが順調に進んでいることを示しており、LNGとメタノール燃料が好ましい解決策となっており、受注状況は、2024年初頭の時点での約27%を占めている。
 また、解撤(スクラップ)は2023年に13万 TEUと依然として抑制されているが、これは今後増加すると予想、今年1月からはEU排出権取引制度(EU-ETS)の海運業への適用を開始、CO2排出規制が全般的に強化されているため、高齢で非エコな船舶の運航コストはますます高くなることが予想されるとしている。