パナマ運河の通航待ち時間増加 タンカー船主から通航回避の動き表面化

米調査会社のS&P Globale Plattsによる と、パナマ運河の通航規制で、通航待ち時 間が増加し続け、8月4日の18日から8日に は21日に達しており、これよりプロダクト タンカー船主はパナマ運河の通航を避け、 大西洋航路へのルート変更する動きが表面 化してきた。水不足でガトゥン湖の水位が 低下、パナマ運河のドラフト制限と通航船 の割り当て減少により、運河の待ち時間が 急激に増加しているもの。

6月22日に発表された最新の喫水制限で は、ネオパナマックス水門の最大喫水は 44フィート、パナマックス水門の場合は 39.5フィートとなっているが、通常の喫水 制限がない場合、ネオパナマックス水門は 最大50フィート、パナマックス水門では最 大39.5フィートまで運航可能だ。

現在の通航待ち時間は北航船が20~21 日、南航船は18~21日に達しており、一 部船主はパナマ運河の通航を完全に回避す るルートへシフトしている。複数のブロー カーによると、船主はパナマ運河を避ける ために米ガルフからブラジルまたは欧州向 けの運賃を若干割引きしても構わないと考 えている可能性があるという。

S&P Global Commodity at Seaのデー タによると、6月から7月までの米ガルフか ら南米西岸向けの石油製品輸出は前年比で 82%減少、 7月の輸出量は229万8,999ト ンで、前年同月比12%減少した。

待ち時間が増加し、パナマ運河を確実に 通過するにはさらに先の事前予約枠が必要 となっているため、船主は、何らかの理由 で予約した日程に間に合わない場合のキャ ンセル料も考慮する必要があり、一部のブ ローカーは、キャンセル料を回避するには 少なくとも10日前までに予約をキャンセル する必要があると指摘している。

パナマ運河庁(ACP)は4日、8日からパ ナマックス水門に対して予約条件3が発効 すると発表した。条件3では、パナマック ス閘門を通過するために事前に予約できる 隻数が14隻に減り、この条件は8月21日ま で有効となっている。