先週の中国輸出コンテナ輸送市場 SCFIが17カ月ぶりに3000を割り込む

先週の中国輸出コンテナ輸送市場は世界 的な景気減速に伴う輸送需要の減退で、船 社が船腹調整を進めているにもかかわらず 運賃は下落を続け、上海航運交易所 (SSE)が2日に発表した上海出しスポッ ト運賃(THC除く)の上海輸出コンテナ運 賃指数(SCFI)は北米西岸、中東ガルフ、 南米航路が大幅に下落したことなどで、総 合指数は前週比9.7%下落し2847.62と12 週連続でダウン、2021年4月以来17か月 ぶりに3000を割り込んだ。

中国の8月の製造業購買担当者景気指数 (PMI)は49.4と、景況改善・悪化の分岐 点となる50を2カ月連続で割り込み、景気 後退局面に入った。北米航路は連邦準備理 事会(FRB)のパウエル議長が急速な引き 締めペースの継続を示唆したことから、株 価が急落、小売り大手はインフレによる消 費減退で在庫処分のため値引き販売を進め るなどの影響で、輸送需要の鈍化で運賃も 下落が続き、SCFIは北米西岸航路が前週比 22.9%も大幅下落し3,959ドル/FEUと16 週連続で下降、1週間で1,000ドルも値下 がり、ピークから41%ダウン、北米東岸航 路も5.5%下落し8,318ドル/FEUとピー クから45%落ち込み、今週は8,000ドル/ FEUが防衛ラインとなる。

欧州航路のSCFIも前週比4.3%下落し15 週連続でダウン、ピークから45%値下がり、 地中海航路は5.9%下落、ピークから30% 以上落ち込んだ。

欧州中央銀行(ECB)が7月に11年ぶり の利上げでゼロ金利政策から脱却したが、 8月のユーロ圏消費者物価指数は前年同月 比9.1%上昇、利上げを継続する見通し。

フェリクストウ港(英国)は8月下旬に8 日間のストが終了したが、労使による合意

に失敗、再ストの可能性もあり、ドイツは 港湾労使が合意するなど、主要港で散発的 なストが発生しているにもかかわらず、港 湾混雑は需要減退で在庫増を要因に緩和し ている。

南北航路のSCFIも中東ガルフ航路が前週 比4.8%下落し1,767ドル/TEU、豪州・ NZ航路が4.8%下落し2,662ドル/TEU、 南米航路が9.6%下落し7,981ドル/TEU となるなど軒並み不振だった。

アジア近海航路のSCFIは東南アジア航路 が前週の21%下落に続き先週も4.9%下落 し562ドル/TEUと9週連続で値下がり、 関西航路は横ばいの327ドル/TEUと全航 路で唯一横ばいを維持したが、関東航路は 3.8%下落し305ドル/TEU、韓国航路も 2.3%下落し256ドル/TEUとなった。