スエズ運河庁(SCA)は、コンテナ船をスエズ運河に戻すための特別割引制度を開始してから2カ月が経過した現在、大型コンテナ船10隻が既に通航を完了したと報告しているが、CMA CGM(仏)とMSC(スイス)以外の大手船社は、紅海を通航するリスクを考慮してスエズ運河の通航を回避し続けている。
SCAによると、19日にシンガポールから地中海へ向かう”CMA CGM ZEPHYR”(15,536TEU)が通航、11,800TEU積載した全長366mの同船はスエズ運河を通航した最大級のコンテナ船の1隻だった。5月中旬から、SCAは3カ月間、13万トンを超えるコンテナ船に対し、通航料金の15%割引を適用する措置を開始した。この割引は、積載状態か空荷状態かを問わず適用、目的は交通量の回復で、現在までにCMA CGMの6隻が通航、さらに、MSCの4隻がスエズ運河に戻ってきた。SCAのオサマ・ラビエ長官は、紅海での緊張にもかかわらず、運河を通る交通の定期的な流れを維持するためのメカニズムを実装したと述べ、柔軟なマーケティングと料金政策の採用、新たな海運・物流サービスの提供を含む措置を講じたと説明している。
SCAはまた、CMA CGMが今年1~4月に、運河を通航したコンテナ船の総トン数の19%を占め、イタリアのフリゲート艦”EUNAVFOR ASPIDES”が紅海での最近の護衛任務でCMA CGMのコンテナ船と行動を共にしたことを明らかにした。
