主要コンテナ船社の団体、世界海運評議会(WSC)は16日、WSCを含めた様々な輸送モードの業界団体が参画し貨物輸送の安全強化を推進する団体Cargo Integrity Groupの声明を紹介し、軽微な人為的ミスや管理の不備が重大事故を招来するとして、改めて注意喚起している。
同グループがもっとも強く注意喚起しているのが、「危険貨物カテゴリー」に分類した、特定の条件下で発火、延焼を引き起こす貨物で、反応性の危険を持つ貨物はすでに厳しい危険物取扱規則にそって取り扱い、それに違反した状態での輸送は禁止されているものの、ミス、見落とし、あるいは管理の不備が重なることで災害が多く発生していると指摘している。
特に災害が発生しなかった場合でも、それらは偶然のミスなどの悪条件に合わなかっただけで潜在的に不適切な取り扱いのまま輸送されている貨物が多いとし、徹底した注意と的確な緊急対応により軽微な事故が大規模な災害に発展することを防ぐことができるとしている。
Cargo Integrity Groupは業界の意識向上を図りつつ、IMDGコードなどの強制規制の厳格な遵守、CTUコードなど業界の優良事例の採用の必要性について、注意喚起している。
Cargo Integrity Groupは代表的な反応性危険物として、次亜塩素酸カルシウム、木炭、また発火の懸念が高いものとして綿花、羊毛、魚粉、オキアミ、種子粕をあげたほか、近年危険性が顕在化してきたリチウムイオン電池も今後数十年にわたり貨物輸送の安全確保で大きな課題となるとしている。
WSC Cargo Integrity Group声明紹介 危険貨物の取り扱いで注意喚起